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カッコーの巣の上で One Flew Over the Cuckoo’s Nest (1975)

1962年に発表された、ケン・ケシーの小説”One Flew Over the Cuckoo’s Nest”を基に製作された作品。
精神病院を舞台に、厳格な管理と統制で患者の人格や尊厳を奪おうとする病院側に反発する男の闘いを描く、監督ミロシュ・フォアマンジャック・ニコルソンルイーズ・フレッチャー共演、アカデミー賞主要部門を独占したドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(ヒューマン)

ジャック・ニコルソン / Jack Nicholson 作品一覧
ジャック・ニコルソン / Jack Nicholson / Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督:ミロシュ・フォアマン

製作
ソウル・ゼインツ
マイケル・ダグラス
原作:ケン・ケシー
脚本
ローレンス・ホーベン
ボー・ゴールドマン
撮影
ハスケル・ウェクスラー
編集
リンジー・クリングマン
セルドン・カーン
音楽 ジャック・ニッチェ

出演
ジャック・ニコルソン:ランドル・パトリック・マクマーフィー
ルイーズ・フレッチャー:ミルドレッド・ラチェッド
ウィリアム・レッドフィールド:デイル・ハーディング
ブラッド・ドゥーリフ:ビリー・ビビット
ウィル・サンプソン:チーフ・ブロムデン
クリストファー・ロイド:マックス・テイバー
ダニー・デヴィート:マティーニ
シドニー・ラジック:チャーリー・チェズウィク
ウィリアム・ドゥール:ジム・シーフェルト
ヴィンセント・スキャヴェリ:フレドリクソン
スキャットマン・クローザース:タークル
ミューズ・スモール:キャンディ
ディーン・R・ブルックス:ジョン・スピーヴィー医師
ルイーザ・モリッツ:ローズ

アメリカ 映画
配給 ユナイテッド・アーティスツ
1975年製作 133分
公開
北米:1975年11月19日
日本:1976年4月3日
製作費 $4,400,000
北米興行収入 $112,000,000


アカデミー賞 ■
第48回アカデミー賞

・受賞
作品・監督
主演男優(ジャック・ニコルソン
主演女優(ルイーズ・フレッチャー
脚本賞
・ノミネート
助演男優(ブラッド・ドゥーリフ
撮影・編集・作曲賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1963年。
オレゴン州、州立精神病院。
刑務所からランドル・パトリック・マクマーフィー(ジャック・ニコルソン)という男が護送されてくる。

ジョン・スピーヴィー医師(ディーン・R・ブルックス)は、強制労働を逃れるため、精神異常者を装っている可能性のあるマクマーフィーの様子を、しばらく見ることにする。

その後マクマーフィーは、看護師長ミルドレッド・ラチェッド(ルイーズ・フレッチャー)のグループセラピーに参加する。

冷静沈着なラチェッドは、病棟の支配者で、非情な女性だった。

その療法で、デイル・ハーディング(ウィリアム・レッドフィールド)、ビリー・ビビット(ブラッド・ドゥーリフ)、マックス・テイバー(クリストファー・ロイド)、マティーニ(ダニー・デヴィート)、チャーリー・チェズウィク(シドニー・ラジック)、ジム・シーフェルト(ウィリアム・ドゥール)、フレドリクソン(ヴィンセント・スキャヴェリ)らの異常さに、マクマーフィーは改めて驚いてしまう。
...全てを見る(結末あり)


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
1963年、オレゴン州、州立精神病院。
州立精神病院に送られた囚人ランドル・パトリック・マクマーフィーは、単に強制労働逃れではないかと疑われながら、様子を見られることになる。
マクマーフィーは異常な患者達に驚き、看護師長ラチェッドの厳しい管理下に従っているだけの彼らに呆れてしまう。
マクマーフィーは、心を閉ざしていた患者チーフとのも交流を始め、次第に患者達の心を掴んでいく。
そして、それを良しとせず、あくまで規則に従った治療を続けようとするラチェッドにマクマーフィーは抵抗し、病院からの脱出計画を決意するのだが・・・。
__________

原作の主人公はチーフであるが、本作ではジャック・ニコルソン演ずるマクマーフィーになっている。

作品は絶賛され、第48回アカデミー賞では、作品、監督、主演男優(ジャック・ニコルソン)、主演女優(ルイーズ・フレッチャー)、脚本賞を受賞した。
・ノミネート
助演男優(ブラッド・ドゥーリフ
撮影、編集、作曲賞
*主要5部門の受賞は、1934年の「或る夜の出来事」以来41年ぶりの快挙。
その後、俳優に転ずるマイケル・ダグラスが製作に参加し、作品賞を受賞している。

1993年、アメリカ議会図書館が、国立フィル登録簿に登録した作品でもある。

北米のみで約1億1200万ドルを超す興行収入を上げ大ヒットとなった。

チェコスロヴァキア出身の監督ミロシュ・フォアマンは、アメリカに移住して撮った本作で見事アカデミー監督賞を受賞し、1984年に「アマデウス」でも同賞を受賞している。

ミロシュ・フォアマンは、映画化不可能だと言われ完成までに非常に苦労したらしい。
主人公を演ずるジャック・ニコルソン以外は、その後に活躍するダニー・デヴィートクリストファー・ロイドを含め、ビッグネームは起用していない。
しかし、実力派の個性を引き出した人物描写や、精神病棟の異様な雰囲気なども見事に描写されている。

エクソシスト」(1973)などの音楽も担当しアカデミー賞候補になった、ジャック・ニッチェの独特な主題曲も印象的だ。

既に、毎年のようにアカデミー賞候補であったジャック・ニコルソンは圧倒的な評価を受け、初のアカデミー主演賞を受賞することになる。

ジャック・ニコルソン演ずる主人公が、本当に精神患者だったかはあまり問題ではない。
利己的な彼が、自分の利益だけではなく”異常”な病院側への反抗と、意思を発せられない患者達を統率していく、人間味のある不思議な魅力の持ち主を、彼らしく演じている。

同じくアカデミー主演賞を受賞したルイーズ・フレッチャーの、異常とも思える冷酷な看護師役も素晴しい。

威圧感のある恐ろしい女性を演じた彼女だが、両親が聾唖者ということで、アカデミー賞受賞の際のスピーチでは、手話で両親に感謝を述べ、観客の感動を呼んだことを思い出す。

主人公との出会いで人間性を取り戻す患者のウィル・サンプソン、自殺してしまう青年役ブラッド・ドゥーリフウィリアム・レッドフィールドクリストファー・ロイドダニー・デヴィートウィリアム・ドゥールシドニー・ラジック、そして、ミロシュ・フォアマン作品の常連であるヴィンセント・スキャヴェリ、警備員役スキャットマン・クローザース、愛嬌のある笑みが印象的な主人公の女友達ミューズ・スモールルイーザ・モリッツ、院長ディーン・R・ブルックス等、芸達者な共演陣の演技が見どころだ。


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