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サイコ Psycho (1960)

大金を手にした平凡な女性の行動と心の迷いの末に起きる殺人事件を描く、製作、監督アルフレッド・ヒッチコック、主演アンソニー・パーキンスジャネット・リーヴェラ・マイルズジョン・ギャヴィンマーティン・バルサム他共演のスリラー映画の傑作。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


スリラー/ホラー

アルフレッド・ヒッチコック Alfred Hitchcock 作品一覧
アルフレッド・ヒッチコック / Alfred Hitchcock / Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督:アルフレッド・ヒッチコック

製作:アルフレッド・ヒッチコック
原作:ロバート・ブロックPsycho
脚本:ジョセフ・ステファノ

撮影:ジョン・L・ラッセル
編集:ジョージ・トマシーニ
美術・装置
ジョセフ・ハーレー

ロバート・クラットワーシー
ジョージ・マイロ
タイトル・デザイン:ソウル・バス
音楽:バーナード・ハーマン

出演
ノーマン・ベイツ:アンソニー・パーキンス

マリオン・クレイン:ジャネット・リー
ライラ・クレイン:ヴェラ・マイルズ
サム・ルーミス:ジョン・ギャヴィン
ミルトン・アーボガスト(私立探偵):マーティン・バルサム
アル・チェンバース保安官:ジョン・マッキンタイア
チェンバース夫人:ルレーン・タトル
フレッド・リッチモンド医師:サイモン・オークランド
ジョージ・ローリー:ヴォーン・テイラー
トム・キャシディ:フランク・アルバートソン
キャロライン:パトリシア・ヒッチコック
ハイウェイ・パトロール警官:モート・ミルズ
カリフォルニア・チャーリー:ジョン・アンダーソン
ノーマ・ベイツ(声):ヴァージニア・グレッグ/ジャネット・ノーラン

アメリカ 映画
配給
パラマウント・ピクチャーズ(1960~1968)
ユニバーサル・ピクチャーズ(1968~)
1960年製作 109分
公開
北米:1960年6月16日
日本:1960年9月4日
製作費 $806,947
北米興行収入 $32,000,000
世界 $50,000,000


アカデミー賞 ■
第33回アカデミー賞

・ノミネート
監督
助演女優(ジャネット・リー
撮影(白黒)・美術賞(白黒)


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
アリゾナ州、フェニックス
12月11日金曜日、午後2時43分。
マリオン・クレイン(ジャネット・リー)は、不動産会社に10年勤める平凡な女性だったが、金物店を営むサム・ルーミス(ジョン・ギャヴィン)と逢引きを続けていた。

ライラはそんな関係に不満を抱き、サムは父親の借金と別れた妻への慰謝料の支払いなどが重荷となっていた。

結婚の意思を伝え、これ以上待てないと言うマリオンとサムの意見は噛み合わず、彼はこんな関係がいやなら別の男を探すことを提案する。

考慮中だと言ってサムをからかうマリオンは、着替えて部屋を出る。

会社に戻ったマリオンは、同僚のキャロライン(パトリシア・ヒッチコック)に、姉から電話があったことを知らされる。
...全てを見る(結末あり)


解説 評価 感想 ■

参考:
・「サイコ」(1960)
・「サイコ2」(1983)
・「サイコ3」(1986)
・「サイコ4」(1990)

★ヒッチコック登場場面
上映開始から約7分後、ジャネット・リーが昼休みを終えて会社に戻った時、入り口の前に立っている、ステットソン帽をかぶった男性役で登場する。
テレビの画面では言われてみないとほとんど分からない。

*(簡略ストー リー)
不動産会社社員マリオンは、父親への借金や別れた妻への慰謝料支払いに苦しむ、金物店経営者サムとの逢引きを続けていた。
ある日マリオンは、会社の4万ドルを銀行に預けるように社長に指示され、それを持ち逃げしてサムの元に向かおうとする。
マリオンは、街で見かけた社長、出会った警官や中古車ディーラーに怪しまれてしまい、動揺しながら、街道沿いの”ベイツ・モーテル”に宿泊するために立ち寄る。
母親と二人暮しらしい、気の良い青年で経営者のノーマンに歓迎されたマリオンは、冷静さを取り戻し現金を返す決心をする。
しかし、翌朝早くに出発することにしたマリオンがシャワーを浴びようとした時、何者かが彼女に襲い掛かる・・・。
__________

1959年に発表された、ロバート・ブロックのサスペンス小説”Psycho”を基に製作された作品。

アンソニー・パーキンスが演ずる主人公”ノーマン・ベイツ”は、実在した猟奇殺人犯のエド・ゲインがモデルだと言われている。

アンソニー・パーキンス主演で、続編が三作公開された。
さらに、本作と全く同じカット割りで製作された「サイコ」が、リメイクとして1998年に公開された。

製作段階から内容は完全にベールに包まれ、結末を公言しないよう観客に促したり、ラスト30分の入場制限をしたほどの、徹底的な秘密主義がとられた作品。
当時の劇場は入替制でなかった。

現金を持ち逃げするか、思い止まるかの心理状態と緊張感、殺害される者の、その瞬間の恐怖、何の変哲もない新聞やシャワーなど小道具の使い方も見事で、全てにおいてヒッチコック作品の集大成とも言える、サスペンス・スリラーの傑作。

第33回アカデミー賞では、監督、助演女優(ジャネット・リー)、撮影(白黒)、美術賞(白黒)にノミネートされた。

1992年、アメリカ議会図書館が、国立フィルム登録簿に登録した作品。

急で高い階段のあるベイツ邸の構造を見事に生かした、ヒッチコックお得意の天井からのショットなども、効果的に使われている。

ヒッチコック作品の常連バーナード・ハーマンの音楽は、タイトル・ロールから恐怖映画の予感を感じさせるものの、序盤は現金横領を企てる女性の心の動きを中心に描いているので、不自然な感じがする。
しかし、突然、女性が惨殺される演出と共に流れるショッキングな音楽で観客を恐怖に・・・。

また、ソウル・バスによる、混乱する心理状態を表現する、シンプルなタイトル・デザインも素晴しい。

ハンサムな好青年という役柄で売り出し中だったアンソニー・パーキンスに異常者を演じさせてしまうヒッチコックの演出も見事で、それに応える好演の彼が、ラストで見せる彼の不気味な表情が脳裏に残る。

悪女に成りきれない被害者、現金を戻す決心をして心が落ち着いた瞬間に、ドラマ半ばで殺されてしまうジャネット・リーは、モーテルにたどり着くまでの不安に駆られる心理状態を、無言のまま表情だけで演じ場面は見事で、正にアカデミー助演賞候補に値する熱演を見せる。

自分の私的な悩みを打ち明けたために、マリオンの死を招くことになってしまうジョン・ギャヴィン、彼と協力し姉の失踪事件を解決しようとするヴェラ・マイルズ、ベイツ邸の階段で惨殺される私立探偵マーティン・バルサム、地元の保安官補役ジョン・マッキンタイア、その妻ルレーン・タトル、ノーマンを診察する精神分析医のサイモン・オークランド、不動産会社社長役のヴォーン・テイラー、その客フランク・アルバートソン、その従業員パトリシア・ヒッチコック(ヒッチコックの実の娘)、ハイウェイ・パトロール警官モート・ミルズ、中古車ディーラーのジョン・アンダーソン、そしてノーマンの母親の声をヴァージニア・グレッグジャネット・ノーランが担当する。


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