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さらば、ベルリン The Good German (2006)

第二次大戦終結直後から始まる米ソ対立に巻き込まれるジャーナリストの行動を描く、監督、撮影、編集スティーヴン・ソダーバーグ、主演のジョージ・クルーニーケイト・ブランシェットトビー・マグワイア他共演のサスペンス。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)

スティーヴン・ソダーバーグ / Steven Soderbergh 作品一覧
ジョージ・クルーニー / George Clooney 作品一覧


スタッフ キャスト ■
監督:スティーヴン・ソダーバーグ
製作
ベン・コスグローヴ
グレゴリー・ジェイコブズ
製作総指揮
ベンジャミン・ウェイスブレン
フレデリック・W・ブロスト
原作:ジョゼフ・キャノン”The Good German”
脚本:ポール・アタナシオ
撮影:スティーヴン・ソダーバーグ
編集:スティーヴン・ソダーバーグ
音楽:トーマス・ニューマン

出演
ジョージ・クルーニー:ジェイク・ガイズマー
ケイト・ブランシェット:レーナ・ブラント
トビー・マグワイア:タリー伍長
ボー・ブリッジス:マラー大佐
トニー・カラン:ダニー
リーランド・オーサー:バーニー・ティーテル大尉
ジャック・トンプソン:ブレイマー下院議員
ロビン・ワイガート:ハンネローレ
ラヴィル・イシアノフ:シコルスキー
クリスチャン・オリヴァー:エミール・ブラント

アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
2006年製作 107分
公開
北米:2006年12月22日
日本:2007年9月22日
製作費 $32,000,000
北米興行収入 $1,290,620
世界 $5,914,910


アカデミー賞 ■
第79回アカデミー賞
・ノミネート
作曲賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1945年7月、ベルリン
第二次大戦の戦後処理の取材のため、現地に着いた従軍記者ジェイク・ガイズマー(ジョージ・クルーニー)は、空港でタリー伍長(トビー・マグワイア)の出迎えを受ける。

ジェイクは、ポツダム会談に参加するために現地に着いた、ブレイマー下院議員(ジャック・トンプソン)に同行する。

その後ジェイクは、ホテルで財布や身分証明書を盗まれるが、それはタリーの仕業だった。

戦後のベルリンは、連合国4カ国が分割統治して混乱する中、タリーのような、物資を横領して私腹を肥やす者は多くいた。

タリーは、愛人で売春婦のレーナ・ブラント(ケイト・ブランシェット)の部屋で何者かに襲われて肩を脱臼する。
...全てを見る(結末あり)


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
1945年7月、ベルリン
第二次大戦の戦後処理のため行われる会議の”ポツダム会談”の取材で、現地に着いた従軍記者ジェイク・ガイズマーは、伍長タリーの出迎えを受ける。
その後ジェイクは、タリーに財布や身分証明書を盗まれ手しまうのだが、戦後、連合国4カ国が分割統治し混乱するこの地では、タリーのような物資を横領し、私腹を肥やす者は多くいることも事実だった。
タリーは、愛人で売春婦のレーナから、死んだ夫の”エミール・ブラント”がいたことを聞く。
抜け目のないタリーは、その存在も知らぬままに、故人エミールを利用し、ソ連軍のシコルスキー将軍に引渡す約束をして儲けようとする。
その後、ジェイクは酒場でタリーと会うのだが、同席していたレーナとは、実は戦前に恋仲だった。
動揺するレーナを見て、タリーはジェイクを殴り倒すが、その後、彼は大金を所持したまま死体で発見される。
ジェイクは、マラー大佐が、タリーの悪事や殺人を見逃しているのを知り疑問を抱き、独自の捜査を始めるのだが・・・。
__________

2001年に発表された、ジョゼフ・キャノンの”The Good German”を基に製作された作品。

自然な仕上がりを期待していたが、フィルム・ノワールを意識過ぎた感じがあり、冒頭から、何かのパロディ作品ではないかと思ってしまう。

殺人事件と元恋人の秘密が、微妙に絡み合う謎解きはなかなか面白いが、誰がどう見ても「カサブランカ」(1942)そのもののクライマックスは白けてしまい、オマージュだとしても個人的には受け入れられない。

戦後の、米ソ間のドイツの優秀な頭脳の奪い合いは、「グッド・シェパード」(2006)にも登場するエピソードで、スパイ劇などには格好のネタとなっている。

前記のように、やや無理のある強引なまでの作風フィルム・ノワール・タッチの映像表現に対して、第79回アカデミー賞で作曲賞にノミネートされた、トーマス・ニューマンの楽曲は、その時代の作品(1940~1950年代)のイメージがよく出ている。

ニュース・フィルムを効果的に使ったモノクロ映像や、瓦礫の山と化したベルリンのセットなどもなかなかよく出来ている。

ジャーナリストらしく、機転を利かせた推理で殺人事件の真相を掴むものの、必死に助けようとした元恋人の秘密だけは見破れず、ラストでそれを知らされ運命の皮肉を味わうジョージ・クルーニーは、時に殴り倒されてしまうところなど、強過ぎることのない、フィルム・ノワールによく登場する主人公のタイプに描くところなどは、うまい演出だ。

“謎めいた女”ケイト・ブランシェットは、雰囲気のある女性を、演技派らしく好演している。

トビー・マグワイアは、イメージ通りの控え目な役で登場するが、実は強欲で暴力的な青年兵という、彼としては珍しい役柄を熱演している。
上映から30分弱で、死体で発見され消え去ってしまうが、インパクトのある役として印象に残る。

主人公手玉に取り自分達の目的を果たそうとする将校ボー・ブリッジスリーランド・オーサー、重要人物をアメリカ側と奪い合うソ連の将軍役ラヴィル・イシアノフ、事件のキーマンとなるヒロインの夫役のクリスチャン・オリヴァーなどが共演している。


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