病院を出たパーキンスは、メキシコから仕事を求めて来たカウボーイのメルキアデスとの出会いを想い出す。
メルキアデスの遺品である家族の写真などをベルモントから受け取ったパーキンスは、解剖後の遺体は引き取ると伝えて、正気ではないと言われる。
解剖の結果、メルキアデスは約270メートル離れた場所から撃たれて射殺され、死亡から約7日経過していることを知ったベルモントは、直ぐに埋葬するよう医師から指示される。
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無線で密入国者の連絡を受けたノートンは現場に向い、逃げたメキシコ人のマリアナ(バネッサ・バウチェ)を追い容赦なく殴る。
やり過ぎだと上司のゴメス(メル・ロドリゲス)から注意されたノートンは、暴力をふるうと面倒なことになると言われる。
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親友の死にショックを受けるパーキンスは家に閉じこもり、彼を心配する友人は、メルキアデスが撃たれた場所から約270メートル離れた場所に落ちていた薬莢を渡す。
ダイナーに向かったベルモントは、関係している経営者兼ウエイトレスのレイチェル(メリッサ・レオ)を誘う。
夫ボブ(リチャード・アンドリュー・ジョーンズ)の目を気にしながら、レイチェルはベルモントと会う約束をする。
その場にいたルー・アンは、二人の様子を見て関係に気づく。
現れたパーキンスから、メルキアデスが撃たれた付近に落ちていた薬莢を見せられたベルモントは、何の証拠にもならないと言って彼を相手にしない。
帰宅したノートンは、料理中のルー・アンが嫌がるにも拘らず無理矢理愛し合う。
その後、何もすることがないルー・アンは、ダイナーの常連客になる。
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メルキアデスと共に働き親交を深めたパーキンスは、彼に女を紹介しようとする。
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レイチェルと愛し合おうとしたベルモントは、勃起しなかっためにショックを受けるが、彼女に慰められる。
国境警備隊の事務所に向かったパーキンスは、隊員に話しかけて、使っている銃の種類を訊く。
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ある日、警備に向かったノートンは、銃声がしたために、その方角に向かって発砲する。
● メルキアデス・エストラーダの2度目の埋葬
メルキアデスの死体は簡易墓地に埋葬され、ノートンとゴメスはそれを見守る。
レイチェルと親しくなったルー・アンは、彼女にシンシナティの話などをする。
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銃声が聞こえた場所に向かったノートンは、メルキアデスが倒れていることに気づく。
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保安官事務所に向かったパーキンスは、例の弾丸を国境警備隊が使っていることをベルモントに伝え、調査を要求する。
メルキアデスが裏で何かをしていたと決めつけるベルモントは、何もしていなかったと言うパーキンスに、既に埋葬したことを伝える。
連絡してほしかったと言うパーキンスに、親族でもないために呼ぶ必要はないと言うベルモントは、メルキアデスは不法入国者だったとだけ伝えて部屋に入る。
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メルキアデスを連れて町に行ったパーキンスは、レイチェルとルー・アンを誘ってモーテルに向かう。
言葉が通じずに緊張するメルキアデスに優しく接するルー・アンは、音楽をかけて彼と踊る。
4人は楽しい時間を過ごし、レイチェルと次の約束をしたパーキンスは、ベルモントはとの関係は本気ではなく、ボブは”夫”だと彼女から言われる。
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ある日、ヤギを放したメルキアデスは、付近にいたコヨーテを銃撃する。
銃弾を受けたメルキアデスは倒れ込み、駆け寄って来たノートンは彼に声をかけるものの息を引き取る。
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ダイナーにいたベルモントと話をしたゴメスは、新人のノートンがパトロール中に、メルキアデスを撃ったことを知らせる。
双方が発砲し、先にメルキアデスが撃ったと言うゴメスは、問題にならないようにしてほしいとベルモントに伝える。
外で話す二人の話を聞いていたレイチェルは、その内容をパーキンスに知らせる。
翌日、ベルモントの車を止めたパーキンスは、メルキアデスを殺したノートンを逮捕するようにと言って迫る。
それを無視するベルモントは、その場から走り去る。
ノートンの家の前で帰りを待ったパーキンスは、夜になり、家に押入る。
銃を向けるパーキンスはノートンを叩きのめし、制服を着させる。
ルー・アンには何も話していないことを知ったパーキンスは、ノートンがメルキアデスを殺したことを彼女に伝える。
ノートンに手錠をかけて車に乗せたパーキンスは、ルー・アンを拘束して、警察に連絡したら夫の命はないと言って脅し、その場を去る。
簡易墓地に向かったパーキンスは、メルキアデスを掘り起こすようノートンに指示する。
遺体を車でメルキアデスの家に運んだパーキンスは、ノートンに服を着替えさせて、遺体には塩をかけて布で包む。
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メルキアデスから家族の写真を見せられたパーキンスは、5年も会っていないと言う彼に同情する。
もし自分が死んだら、家族の元に連れて行き故郷に埋めてほしいとメルキアデスから言われたパーキンスは、年上の自分が先に死ぬと伝える。
故郷の村ヒメネスの場所を絵に描いて教えたメルキアデスは、自分を連れて行くことをパーキンスに約束される。
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メルキアデスの遺体をラバに乗せて、ノートンにブーツを脱がせたパーキンスは、彼と共に馬でメキシコ国境に向かう。
● 旅
事件を知ったベルモントは、パーキンスが正気ではないと考える。
国境警備隊と連携したベルモントは、ゴメスと話し合いパーキンスの捜索を始める。
渓谷でパーキンスとノートンを見つけたベルモントは、銃を構えるものの撃つことができない。
レイチェルから電話を受けたベルモントは、会う約束をする。
険しい山道を行くパーキンスは、馬が一頭、崖から転落してしまうが、気にせずに前進する。
野営をしたパーキンスは、死体の腐敗臭で眠れないと言うノートンに銃を向けて、その場で眠れと命ずる。
メルキアデスの顔にアリが這っているとノートンから言われたパーキンスは、酒を振りかけて火を点けそれを追い払う。
翌日、ラジオを聴く盲目の老人(レヴォン・ヘルム)が独りで住む家に着いたパーキンスは、馬に水を貰う。
塩かアルコールがあるか老人に尋ねたパーキンスは、不凍液ならあると言われる。
不凍液でメルキアデスの顔を拭き、口から液を流し込んだパーキンスは、ノートンから異常だと言われるものの気にしない。
老人から食事を提供されたパーキンスとノートンは、月に1度、様子を見に来ていた息子が、半年前を最後に姿を見せなくなったという話を聞く。
礼を言って出かけようとしたパーキンスは、自分を撃ち殺してほしいと老人から頼まれる。
癌である息子はもう来ないと言う老人は、街で一緒に住むことを提案されたが、この場がいいと答えたとパーキンスに伝える。
頼みは聞けないと言うパーキンスは、自殺は神に背くと話す老人に、自分も神に背けないと伝えてその場を去る。
その後ノートンは、メルキアデスを殺す気はなかったと言って、撃たれたから撃ち返しただけで、自由にしてくれたら訴えはしないと伝えるが、パーキンスは何も答えない。
レイチェルがパーキンスと寝ていることを知っていたベルモントは、彼の居場所を訊くものの、パーキンスとは話しはしないと言われる。
砂漠に入り、パーキンスが落馬して馬の下敷きになった隙に逃げたノートンは、ジーンズを割いて足に巻き走り去る。
追いついたパーキンスは、ノートンを捕えようとせずに後をつける。
岩場に逃げ込んだノートンは、蛇に咬まれてしまい助けを求める。
老人の家を訪ねたゴメスは国境警備隊だと伝えて、誰か来たかを確認するものの、情報は得られなかった。
不法入国者のメキシコ人ルシオ(イグナシオ・グアダルペ)らは、意識を失っているノートンを見つける。
その場に現れたパーキンスは、ノートンが蛇に咬まれたと言われ、仲間だとルシオに伝える。
国境を越えた場所にいる、薬草を扱う女が治してくれるかもしれないことを、パーキンスはルシオから知らされる。
国境警備隊が捜索していると言われたパーキンスは、自分が追われているとことを伝えて、ルシオに案内を頼む。
レイチェルに町から出て行くことを伝えたルー・アンは、ノートンは戻って来ると言われるが、救いようのないバカな男はどうでもいいと答える。
国境警備隊が捜査する様子を見ながら、パーキンスは、馬一頭を渡す約束でルシオに案内をさせる。
意識が戻り興奮するノートンをロープで引きずり川を渡り、目的の家に着いたパーキンスは、治療できるというマリアナに会う。
自分の鼻を殴った男だったノートンの治療を断るマリアナだったが、パーキンスに頼まれて仕方なく処置する。
蛇の毒は心配ないが壊疽になれば脚は切断することになると、パーキンスはマリアナから言われる。
レイチェルは、バスに乗って町を出るルー・アンを見つめる。
村の酒場からレイチェルに電話をしたパーキンスは、彼女をメキシコに誘い結婚してほしいと伝える。
ボブを愛していると言うレイチェルは、自分の気持ちは理解できないとパーキンスに伝えて電話を切ってしまう。
ショックを受けたパーキンスは、メルキアデスの遺体に話しかけて、変わり果てた友の姿を見て嘆く。
意識が戻ったノートンは、様子を見に来たマリアナに殴られ相子だと言われる。
村を離れたパーキンスはノートンにブーツを渡し、逃げたら殺すと警告して歩いて岩場を登る。
男達に出くわし食料を分けてもらい道を訊いたパーキンスは、ある村に着く。
店でヒメネスという村の場所を尋ねたパーキンスは、知らないと言われたためにメルキアデスの写真を見せる。
妻だと言われていた女が近くに住んでいるローザ(セシリア・スアレス)だと知らされたパーキンスは、彼女の家に向かう。
メルキアデスのことなど知らないとローザから言われたパーキンスは、夫と揉め事になることを恐れる彼女に追い払われそうになる。
パーキンスからメルキアデスとは友人だったと言われたローザは、ドン・カシミロ(レネ・カンペロ)なら、村に来た者を全て知っていると伝える。
ドン・カシミロに会ったパーキンスとノートンは、メルキアデスもヒメネスという村も知らないと言われる。
諦めきれないパーキンスは、メルキアデスの言葉を信じてヒメネスを探す。
ある場所に着いたパーキンスは、その場がヒメネスだと言ってノートンに写真を見せる。
正気とは思えないパーキンスの言葉を否定しなかったノートンは、彼と共に家を作る。
パーキンスは、その場にヒメネスという名前を付ける。
● メルキアデス・エストラーダの3度目の埋葬
ノートンに遺体を埋葬させたパーキンスは、メルキアデスに許しを乞うよう命じて銃で脅す。
怯えるノートンは謝罪して泣きながら、殺す気はなかったことをパーキンスに伝える。
あの日から毎日、辛くて苦しんだと言うノートンは、メルキアデスの写真に向かって再び謝罪する。
翌朝、ノートンを起こしたパーキンスは、どこへでも行っていいと伝えて、馬はやると言ってその場を去る。
パーキンスに殺されるかと思ったノートンは、一人で大丈夫かと言って、去って行く彼を気遣う。