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黒い罠 Touch of Evil (1958)

ある実業家の爆殺事件を発端に居合わせたメキシコ政府の麻薬捜査官がアメリカ側の辣腕警部の不正捜査を暴くまでを描く、監督オーソン・ウェルズチャールトン・ヘストンジャネット・リー他豪華共演のフィルム・ノワールの傑作サスペンス。

■ アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)

オーソン・ウェルズ / Orson Welles / Pinterest
マレーネ・ディートリッヒ / Marlene Dietrich / Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督:オーソン・ウェルズ
製作
アルバート・ザグスミス
リック・シュミドリン(1998:修復・DC版)
原作:ウィット・マスターソンBadge of Evil
脚本:オーソン・ウェルズ
撮影:ラッセル・メティ
編集
アーロン・ステル
ヴァージル・W・ヴォーゲル
ウォルター・マーチ
音楽:ヘンリー・マンシーニ

出演
ラモン・ミゲル・ヴァルガス:チャールトン・ヘストン
スーザン・ヴァルガス:ジャネット・リー
ハンク・クインラン:オーソン・ウェルズ
ピート・メンジース:ジョゼフ・カレイア
”アンクル”ジョー・グランディ:エイキム・タミロフ
マーシャ・リネカー:ジョアンナ・ムーア
アデール地方検事:レイ・コリンズ
モーテルの夜間マネージャー:デニス・ウィーバー
パンチョ:ヴァレンティン・デ・ヴァルガス
アル・シュワルツ:モート・ミルス
マノロ・サンチェス:ヴィクター・ミラン
ターニャ:マレーネ・ディートリッヒ
リア:マーセデス・マッケンブリッジ
ストリップ・クラブのオーナー:ザ・ザ・ガボール
弁護士:キーナン・ウィン
刑事:ジョセフ・コットン

アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
1958年製作 95分(DC:111分/1998年)
公開
北米:1958年4月23日
日本:1958年7月29日
製作費 $829,000
北米興行収入 $2,237,700


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
アメリカとメキシコの国境の町。
メキシコ政府の特別麻薬捜査官ラモン・ミゲル・ヴァルガス(チャールトン・ヘストン)は、妻スーザン(ジャネット・リー)との新婚旅行のため、アメリカ領内に入る。

次の瞬間、ヴァルガスらを追い抜いていった車が爆発し、男女二人が死亡する。

ヴァルガスは現場に残るが、ホテルに帰るよう彼に指示されたスーザンは、途中、歩み寄ってきた男パンチョ(ヴァレンティン・デ・ヴァルガス)から、夫に渡したいものがあるというメッセージを受け取る。

現場には、アデール地方検事(レイ・コリンズ)が現れ、駆けつけた、被害者で、町の大物リネカーの娘マーシャ(ジョアンナ・ムーア)は、遺体を父親だと確認する。
...全てを見る(結末あり)


解説 評価 感想 ■
1956年に発表された、ウィット・マスターソンの小説”Badge of Evil”を基に製作された作品。

*(簡略ストー リー)
国境の町。
新婚旅行でアメリカを訪れた、メキシコ政府の特別麻薬捜査官ラモン・ミゲル・ヴァルガスと妻スーザンは、 目の前で実業家の爆殺事件を目撃する。
ヴァルガスは、アメリカ側の事件のため権限を持たないものの、立場上見過ごすわけにはいかず、スーザンをホテルに帰して現場に残る。
現場に駆けつけた警部クインランは、周囲を威圧しながら、当然、部外者ヴァルガスの協力を拒絶する。
その頃、国境を股にかける裏社会の顔役であるランディは、兄弟へのヴァルガスの干渉を阻止するため、スーザンに脅しをかける。
その後、ヴァルガスはオブザーバーとして捜査に加わることになる。
犯行に使われた、ダイナマイトを盗んだと見られる被害者の娘の恋人サンチェスを、クインランは爆破犯人と決め付けて締め上げる。
同じ頃グランディは、ヴァルガスを陥れようとして、モーテルにいたスーザンを、甥達に監視させていた。
やがて、サンチェスの家からダイナマイトが見つかり、クインランは彼の犯行を確信して捜査を終了させようとする。
しかしヴァルガスは、それを捏造だと言い切り、単独で事件の真相を究明しようとするのだが・・・。
__________

犯罪サスペンスの醍醐味を思う存分に味わえる、オーソン・ウェルズの力感溢れる演出、画面からはみ出しそうな彼と、それを上回る長身のチャールトン・ヘストン、巨漢二人の、格闘技のような演技のぶつかり合いは、映画史上に残るとも言っていいほどの、圧倒的な迫力で迫る。

余りにも有名な、3分20秒にも及ぶ冒頭のロング・テイクからのショッキングな爆破事件、警察側を含めた、多くの怪しげな登場人物の個性などを含め、寸分の隙もない、緊迫感ある映像表現なども圧巻だ。

警察官でありながら、冒頭から異様な雰囲気で登場するオーソン・ウェルズが、主人公を陥れようと考えるギャングのグランディと手を組み、悪の顔を見せ始める辺りから俄然面白くなるめまぐるしい展開で、さらにドラマに引き込まれる。

ただ、1998年の修復版(111分)でない公開版の95分バージョンでは、編集に無理がある場面が何箇所かある。

1993年、アメリカ議会図書館が、国立フィルム登録簿に登録した作品でもある。

暗雲うごめくドラマに相応しい、ヘンリー・マンシーニの音楽も印象に残る。

オーソン・ウェルズの存在をも凌ぐ、エリート捜査官を演ずるチャールトン・ヘストンも、メキシコ人役が新鮮で、その熱演は見応えある。

事件に大きく関与することになる主人公の妻役のジャネット・リー、豪腕クインラン(O・ウェルズ)のよきパートナーとして、特に後半、重要な役を演ずる刑事ジョゼフ・カレイア、裏社会の顔役を個性豊かに演ずるエイキム・タミロフ、被害者の娘ジョアンナ・ムーア、地方検事役のレイ・コリンズ、モーテルの夜間マネージャー役のデニス・ウィーバー、グランディ(A・タミロフ)の甥ヴァレンティン・デ・ヴァルガス、主人公に協力する思慮深い検事のモート・ミルス、爆破犯人ヴィクター・ミラン、出番は多くはないが、インパクトある役としてラストも飾る酒場の女マレーネ・ディートリッヒ、主人公の妻に麻薬を打つマーセデス・マッケンブリッジ、ストリップ・クラブのオーナー、ザ・ザ・ガボール、被害者の娘の弁護士役キーナン・ウィン、そして、刑事役でジョセフ・コットンという、超豪華共演者も注目だ。


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