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ウエスト・サイド物語 West Side Story (1961)

アーサー・ローレンツ原作、ジェローム・ロビンス監督振付け、作曲レナード・バーンスタイン、作詞スティーヴン・ソンドハイムによる1957年初演のブロードウェイ・ミュージカルの映画化。
ウィリアム・ジェイクスピアの”ロミオとジュリエット”の物語を基に製作されたミュージカル映画史上に残る傑作。
製作、監督ロバート・ワイズナタリー・ウッドリチャード・ベイマージョージ・チャキリスリタ・モレノラス・タンブリンら若手スターの躍動感溢れる演技に注目。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(ミュージカル)


スタッフ キャスト ■
監督

ロバート・ワイズ
ジェローム・ロビンス
製作:ロバート・ワイズ
原案:ウィリアム・シェイクスピア
脚本
アーネスト・レーマン
アーサー・ローレンツ(舞台)
撮影:ダニエル・L・ファップ
編集:トーマス・スタンフォード
美術・装置
ボリス・レヴェン
ヴィクター・A・ギャンジェリン
タイトル・デザイン:ソウル・バス
音楽
レナード・バーンスタイン(作曲)
スティーヴン・ソンドハイム(作詞)

出演
マリア:ナタリー・ウッド
トニー/アントン:リチャード・ベイマー
ベルナルド:ジョージ・チャキリス
アニタ:リタ・モレノ
リフ:ラス・タンブリン
シュランク警部:サイモン・オークランド
アイス:タッカー・スミス
ドク:ネッド・グラス
A-ラブ:デヴィッド・ウィンターズ
アクション:トニー・モルデンテ
グラッド・ハンド:ジョン・アスティン
チノ:ホセ・デ・ヴェガ
エニィバデイース:スーザン・オークス
クラプキ巡査:ウィリアム・ブレムリー

アメリカ 映画
配給 ユナイテッド・アーティスツ
1961年製作 151分
公開
北米:1961年10月18日
日本:1961年12月23日
製作費 $6,000,000
北米興行収入 $43,656,820


アカデミー賞 ■
第34回アカデミー賞

・受賞
作品・監督
助演男優(ジョージ・チャキリス
助演女優(リタ・モレノ
撮影(カラー)・編集・美術(カラー)
衣装デザイン(カラー)・録音
音楽賞(ミュージカル)
・ノミネート
脚色賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1957年、夏の終わり、ニューヨークマンハッタン
リフ(ラス・タンブリン)率いる、イタリア系のアメリカ人少年グループ”ジェッツ”は、自分達の縄張りでたむろする敵対するプエルト・リコ移民のグループ”シャークス”を威嚇して牽制する。

シャークスのリーダー、ベルナルド(ジョージ・チャキリス)は、それを受けて立とうとするが、そこにシュランク警部補(サイモン・オークランド)とクラプキー巡査(ウィリアム・ブレムリー)が現れ、彼らの争いを制止する。

ジェッツのリフは、シャークスを叩き潰すために、兄と慕う元メンバーのトニー(リチャード・ベイマー)の力を借りようとする。

そしてリフは、その夜のダンス・パーティーでシャークスに挑戦状を叩きつけようとする。

ドク(ネッド・グラス)のドラッグ・ストアで働くトニーを訪ねたリフは、気の進まない彼をパーティーに誘うことだできる。

トニーは、何か重大なことが起きる予感を感じながら仕事に戻る。

アメリカに来てまだ1ヶ月の、ベルナルドの妹マリア(ナタリー・ウッド)は、兄の恋人アニタ(リタ・モレノ)にドレスを仕立ててもらい、初めてのダンス・パーティーに期待する。
...全てを見る(結末あり)


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
イタリア系アメリカ人の少年グループ”ジェッツ”と、プエルト・リコ移民のグループ”シャークス”の対立は絶えなかった。
ダンス・パーティーで、”シャークス”に挑戦状を突きつけようとした、”ジェッツ”のリーダーであるリスは、元メンバーのトニーの力を借りようとする。
トニーはそれを承知するが、会場で敵のリーダー、ベルナルドの妹マリアに出会い、お互い惹かれ合ってしまう。
しかし、ベルナルドは二人を引き離してし、双方は一触即発となる。
そんな争いを余所に、マリアとトニーは愛を深め、ベルナルドの恋人アニタは、二人の気持ちに理解を示す。
両グループは、話し合いの場を持とうとするのだが、結局は歩み寄ることが出来ずに、決闘で決着をつけることになる。
それに気づいた、警察のシュランク警部補が双方を牽制するのだが、やがて、対立は悲劇に発展してしまう・・・。
__________

1997年、アメリカ議会図書館が、国立フィルム登録簿に登録した作品。

第34回アカデミー賞では、作品賞をはじめ11部門にノミネートされ10部門で受賞した。
・受賞
作品・監督
助演男優(ジョージ・チャキリス
助演女優(リタ・モレノ
撮影(カラー)・編集・美術(カラー)衣装デザイン(カラー)・録音
音楽賞(ミュージカル)
・ノミネート
脚色賞

当時としては巨額の600万ドルの製作費をかけた作品で、その評価と共に興行的にも大成功を収め、北米だけでも約4300万ドルの大ヒットとなった。

音響効果担当者として、10代から下積みを続け、既に監督として高く評価されていたロバート・ワイズが、巨匠としてのキャリアと、更なる才能を世に知らしめた記念すべき作品。
同じくアカデミー賞で作品、監督賞を受賞した「サウンド・オブ・ミュージック」(1965)と並び称される、彼の代表作でもある。

予算超過を理由に結局は撮影半ばで解雇される、舞台の監督兼振付のジェローム・ロビンスの貢献は大きく、アカデミー監督賞をロバート・ワイズと二人で受賞して、それは、同賞では最初の例となった。

ソウル・バスによるタイトル・デザインのバックに流れる序曲、ダニエル・L・ファップの”Super Panavision70”のマンハッタン島を見下ろす冒頭のショットなどは、今までのステージ・ミュージカルの概念を打ち破る斬新且つ大胆なオープニングなど、その後のダイナミックな歌と踊りにも圧倒される。

最終的には殺し合いにまで発展する少年達の争いの中で、それに関る大人達が不良少年達に厳しく接し、立場の違いを明確に映し出し、人情なども鮮明に描かれているところも非常に興味深い。

貧しい少年少女を描いている薄汚いファッションなども実にリアルで、今でも十分通用するセンスの良さが、作品の古さを感じさせない要因にもなっている。

ナタリー・ウッドが自分の声を使わないことで憤慨し、問題になった吹き替えだが、マーニ・ニクソンの見事な歌声が作品の価値を高めたとも言える。
実際にナタリー・ウッドの声であったら・・・とも思うが、それよりも、若手の期待の星ではあったものの、20代前半でにも拘らず、製作者側に食って掛かったという彼女の主演としてのプライドの高さに頼もしさも感じる。

長身ではあるが、ナタリー・ウッドの弟のように思えてしまう、元不良にも思えないナイスガイのリチャード・ベイマーも、甘い声はジム・ブライアントの吹き替えで、ベイマー自身は翌年「史上最大の作戦」(1962)で印象的な役を演じてはいるが、その後、目だった活躍が見られなかったのは残念だ。

1950年代に、ミュージカルの名作のバックダンサー役で活躍し、ついに本作の準主役でアカデミー助演賞を獲得したジョージ・チャキリスも、結局はこれ以後はハリウッドでの大活躍は果たせなかった。

終盤の熱演が光る、同じくアカデミー助演賞を獲得するベルナルド(G・チャキリス)の恋人役のリタ・モレノ、序盤をリードし見事なダンスを披露する対抗少年グループのリーダー、ラス・タンブリン、少年達の争いに手を焼く警部補サイモン・オークランド、争いを嘆き苦しむドラッグ・ストア店主ネッド・グラス、ジェッツのリーダーを受け継ぐタッカー・スミス、メンバー達、デヴィッド・ウィンターズトニー・モルデンテ、ダンスパーティーのホスト、ジョン・アスティン、マリア(N・ウッド)に惹かれるホセ・デ・ヴェガ、少年達の仲間入りを望む女性スーザン・オークス、巡査ウィリアム・ブレムリーなどが共演している。


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